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乾癬とは?

ヒトの体は免疫といって、体内へ侵入した細菌やウィルスを排除したり、体内で異常が起きた細胞などを排除する働きがあります。

 この免疫システムが働き過ぎることで起こる病気が皆さんのよくご存知の花粉症です。花粉症は本来は人体に害の無い花粉に、敏感に反応しすぎるため起こります。花粉を排除しようと体の中では様々な細胞達や彼らに(集まれ!攻撃せよ!)といった内容の指示書の役割のあるタンパク質が飛び交い、大騒ぎになっています。これが炎症と呼ばれる現象です。

 乾癬も花粉症と同じような炎症が起こっています。働く細胞達や指示書であるタンパク質が少し違いますが、免疫システムの働きすぎの状態です。乾癬では何に敏感に反応して炎症が起こっているのかはっきりとは特定できていませんが、何らかの原因で傷ついた皮膚細胞と考えられています。乾癬の患者さんは正常な皮膚の部分を傷つけると乾癬の症状になる(ケブネル現象)ことからもダメージを受けた細胞が関与していると言われています。

 また、乾癬は炎症だけでなく、特徴的な症状があります。鱗屑(りんせつ)といったフケのような皮が患部に付着していて、剥がしても剥がしても鱗屑は数日に1回というペースで出てきます。正常な皮膚は1ヶ月位で皮が剥がれます(ターンオーバーと言います)が乾癬の患部ではこのスピードが速まっているので、次から次への皮が剥けます。無理やり鱗屑を剥がすと、点状に出血すること(アウスピッツ現象)もあり、これも乾癬の特徴です。

 乾癬を言葉で言った場合、感染と勘違いされることが多々あります。しかし、乾癬は感染ではありません。つまり他人に決してうつらない病気なのです

症状

かゆみ、ひりひり感がありますが、何も気にならない場合もあります。これらの症状は患部の場所にもよりますし、ヒトにもよります。外観は赤くなった患部に鱗屑が付着しています。鱗屑は赤くなっている患部の上にしか出てきません。つまり、正常な皮膚部分と乾癬患部がハッキリと区別できます。

乾癬は見た目が悪いので、患部を露出することには大変な抵抗感があります。患部の場所によっては隠しようがないので、他人の目がとても気になります。また、鱗屑は所構わず落ちるので家では毎日のように自分の鱗屑を掃除する必要もでてくるので憂鬱です・・・また、一度乾癬になると、非常に治り難い病気なので何十年と関わっていかなければならず経済的な負担も大きく圧し掛かってきます。

このように、肉体的な症状以上に精神的なダメージが非常に大きく、日常生活や仕事に影響するので、乾癬はQOL(生活の質)が心疾患やガンに匹敵するとの報告もあります。


乾癬になる場所

全身あらゆるところに症状は出ますが、特に皮膚に刺激が多いところに多発します。ひじ、ひざ、頭皮、おしりが特に多いようです。体の内部に出ることはありません。
 場所によっては感染症などの病気に間違える場合があるので、必ず医師の診断を受けてください。


乾癬になる人

乾癬は欧米では1~2%の人が患っています。日本では0.1%つまり1000人に1人が乾癬に悩まされているそうです。
 親兄弟に乾癬の人がいる場合、乾癬になる確率は高くなりますが、絶対に発症するわけではありません。色々な因子が複雑に絡み合って発症するようなので、現在では原因ははっきりとはわかっていません。


乾癬の種類

●尋常性乾癬

ありふれたという意味の尋常(じんじょう)性が示すように乾癬患者のほとんど(約90%)がこれに該当します。

●関節症乾癬

リウマチと同じような症状ですが、リウマチ特有の体内の原因物質(リウマチ因子)がないことから、リウマチとは異なる分類となっています。

●膿庖性乾癬

細菌などと戦って殉職した免疫細胞達の亡骸が膿(うみ)ですが、細菌などに感染していないのに膿が吹き出物の様に現れます。
発熱、倦怠感を伴い、急激に全身の皮膚が潮紅し、放置すると全身衰弱などにより重篤化する場合があります。


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